融資成功事例の分析、失敗事例の分析 後編|仙台創業融資サポートオフィス
前回は「融資成功事例の分析、失敗事例の分析 前編」とし主に創業融資を中心に書きました。
今回は運転資金・設備資金の融資についてご紹介します。
**前回のブログ「融資成功事例の分析、失敗事例の分析 前編」
https://sendai-sougyoyushi.com/post-2987/
基本的な要素は創業融資と変わりません。
ただし、運転資金・設備資金を希望する場合、既に事業を始めて時間が経過している企業ですので、最も重要視されるのは「実績」と「融資後の見通し」です。
また、仮に現在赤字だったとしても用途、回収可能性をキチンと説明できれば融資を受けられる可能性が有ります。
実績の証明は即ち実力の証明です。
実力と言っても技術面だけに偏った話では無く経営の実力と言い換えて良いでしょう。
技術は普通でも営業力が高いので収入面では問題無い、その逆に取引先は少ないが技術力が高いので高単価の案件が見込める。
どちらの状態も経営者の「実績」です。実績を示しきちんと融資後に返済できるという見通しの証明ができれば融資審査には有利に働くでしょう。
では、どのように証明するのか?創業融資の回で書いた通り「書類」で証明するしか有りません。
現場主義の経営者の皆さんが苦手とする方も多いのが現状ですが・・・
決算書・税務申告書は当然として期中の試算表、融資を受けた後の資金の流れを記載した収支計画書、
そして収支計画と営業面の記載も含めた事業計画書
これらをご自身の言葉で説明し、融資担当者に理解してもらう事が必要です。
流暢に話す必要は無いのですが、自身の会社や事業をキチンと理解していると示すことが重要です。
普段はお金の流れは税理士と経理担当者に任せて自分は本業の現場で頑張っているんだ!!という方でも
何故融資が必要なのか、どれくらい資金が必要なのか、必要な売上はどれくらいかといった最低限必要な経営情報は理解していなければなりません。
そもそも、融資が必要ではなくても上記の内容は普段から頭に入っていないと会社が立ち行かなくなります。
まとめますと、運転資金・設備資金の融資を受ける際には以下3点を理解し説明できるようにしておかなければなりません。
1 運転資金・設備資金について必要な額、収支計画など数値の説明ができること
2 設備資金の場合、何故その設備が必要か?設備投資をすることでどのくらいの収益が見込めるか?
3 運転資金の場合、融資の後、収益が返済分まで確保できるようになるのは何時からか説明ができること
何となく言葉上手な方ほど有利なように見えますが、本業の実績が無いとそもそも意味が有りませんのでご注意ください。
運転資金の融資について一つ注意点が有ります。
運転資金の融資を希望される方は収支の状態が赤字になってから相談に来られる方が多いです。
融資が難しくなるのは赤字の状態が続き、現金・預金の残高が乏しく又は0になった状態での融資相談です。
残念ながら本当に困った事業者に対し金融機関の態度は厳しいのです。
*もちろんそう言った方のご相談も創業融資サポートオフィスではお受けしております。
赤字の状態になって直ぐ又はなりそうな時点で速やかに融資を受ける事を検討し税理士や融資支援コンサルタント等の利用を思い出して頂けるとダメージは小さく済みます。
日本人の心情には「お金を借りること=悪いこと」の様な意識が有るように思います。
資金に窮した状態での借り入れと窮する前に対策を打つ借り入れは内容が全く異なります。
むしろ事後的にしか動けなかった事を悪いこととする意識に切り替えて頂くと、より健全な経営環境になるのではないかと考えます。
運転資金・設備資金に関する事例
前回のブログで融資審査における成功パターンを書きました。また、前回の記事には事例もご紹介しております。
*前回のブログ https://sendai-sougyoyushi.com/post-2987/
事業融資において成功する方は業種・規模に関わらず大体ご紹介したパターンに当てはまります。
今回は失敗パターン(創業融資サポートオフィスでは融資申し込みをお勧めしないパターン)を挙げます。
1 税金や社会保険料の未納…未納分を納め、事業計画などをしっかり練り直せば融資の可能性が有ります。
2 今の事業と全く関係の無い新規事業の融資申込…今の事業との併存、廃止など現行事業の扱いについて合わせて説明しなければなりません。
3 全部他人任せ…他人が作成して目も通さない事業計画書を金融機関に提出したとしても面接の段階で見抜かれます。
4 社会人マナー不足…金融機関への訪問時に連絡無しに遅刻、名刺を渡す際に片手、敬語が使えないなど。そもそも人に金を借りに行く態度ではないですね。
*創業融資サポートオフィスでは融資実行可能性が低いと判断した場合、金融機関への融資申し込みをしないように提案しております。
一度融資が断られると次の審査の際により厳しく見られる傾向が有るからです。失敗の可能性が高いのに再チャレンジの際に更に成功率を下げるリスクを負わせるのでは全く意味が有りません。
今回は「融資成功事例の分析、失敗事例の分析 後編」とし主に運転資金・設備資金の融資について書きました。
次回はシリーズ4回目「今後の傾向と対策について」コロナ禍において見通しが厳しい昨今で取るべき対策について書きたいと思います。
2020年11月26日に掲載予定です。
過去のブログ
第1回 https://sendai-sougyoyushi.com/post-2969/
第2回 https://sendai-sougyoyushi.com/post-2987/
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