お店や会社が災害に遭ったら返済はどうなる?事業者の被災の備えとは?

はじめに

ここ10年ほど、6月の梅雨入りから10月の台風シーズンが終わるまでの約5ヶ月~6ヶ月間は洪水、土砂災害、浸水害、風害など災害のリスクが非常に高くなってきました。

令和3年7月3日の静岡県熱海市に始まり、鳥取県、島根県、鹿児島県も大雨を起因とした大規模な災害が発生いたしました。

仙台創業融資サポートオフィスを運営するみらい創研グループが本社を置く宮城県でも震度5弱以上の地震、台風・豪雨が数年おきに発災しております。

今回のブログでは店舗や会社など事業者の被災した場合の返済、融資について解説したいと思います。

 

先ず覚えていただきたいこと!事業者の被災には無償支援が少ない

まず最初に覚えていただきのは「事業者に対する義援金は無い」又は「期待できない」ということです。

大規模災害時によく発せられる「被災者の皆様の1日も早い復旧・復興」や「できる限りの支援」の言葉の多くは個人に対して向けられているのでしょう。

土砂や瓦礫の撤去を大勢のボランティアの皆さんが行っている姿をメディアで目にすることも多いのですが、公的なボランティアセンターにおいては一般宅のニーズを最優先としお店や事務所の復旧作業には回ってきません。*かなり時間が経って派遣される場合も有ります

事業者が被災した場合、無償で支援されるお金やマンパワーは全く無い又は個人と比べてとても少ないと思っておいた方がよいでしょう。事業の復旧や再開は自力で行う覚悟が必要です。

 

被災直後に行うこと

以下に書くことは全て従業員や家族の生命の安否が分かり安全が確保できた状態が前提です。安全か否かの状況が分からないまま災害現場に行き作業に着手することは自殺行為です。また、従業員や主要取引先や顧客の安否も確認しておきましょう。

被災直後にまず行うのは状況の把握です。今後のためにお店や事務所の被災状況を写真で撮影しておいてください。内部、外部、周囲を隈なく撮影しておきましょう。

人的、物理的な被災状況の把握が終わったら、お金の出入りの管理です。直近で返済が有り、事業の復旧に時間が掛かりそうなら融資先である銀行や日本政策金融公庫など金融機関に連絡し事情を話しましょう。また、金額の大きい支払いが在る場合も同様に事情を話し必要かつ可能であれば猶予を相談してみましょう。

被災直後においては未だ支援融資など制度が整っておりません。よって、後述する支援融資や臨時の支払猶予制度などは未だ有りません。また、メディアの取り上げ方次第では、貴方の被災は「規模が小さい」と誤認されることも有ります。自分がこれだけ大きく被災したのだから銀行や取引先も察してくれるだろうとは思わず、返済や支払いの猶予をしてもらう時は早めに連絡を取り交渉をしておきましょう。

 

被災後数週間~1ヶ月

災害発生から時間が経つと政府や自治体から支援策が発表されます。金融支援として良く使用される制度は現状の債務に対する返済猶予、復旧費用に対する低利融資です。

また、政府から金融機関に対し返済猶予についての要請や公的保証制度の整備がされることも有りますので、取引先の金融機関に直接問い合わせましょう。

災害復旧の経費や売上が一旦落ち込んだ際の支援策については、日本政策金融公庫の災害復旧貸付、信用保証協会におけるセーフティネット4号を利用した銀行融資などが有ります。

 

税務・労務上の対応について

被災時の税務・労務上の解説については別の機会にしたいと思います。

ただ、一つ言えるのは税務上、労務上共に災害における「猶予」や「減額」の制度は有りますが、「免除」はかなり特殊な場合に限ります。

 

災害前の備え

災害において金銭的な備えをするとしたら保険に入るしか有りません。その際に、あらゆる自然災害の中で自社・自店舗はどの災害についてリスクが高いのか把握する必要があります。国土地理院のハザードマップポータルでは全国のハザードマップが閲覧できますので一度ご覧頂くと良いでしょう。

また、損害保険については地震保険、火災保険や災害に合わせた組み合わせが必要ですので取引の有る保険代理店やみらい創研グループの損害保険パートナーにご相談ください。

仙台創業融資サポートオフィスのお問合せ→メールフォーム

参考:国土地理院のハザードマップポータルサイト→https://disaportal.gsi.go.jp/


みらい創研グループの動画では令和3年2月18日の福島県沖地震に関する情報提供を行っておりますのでこちらもご覧ください。

*チャンネル登録はこちら→https://www.youtube.com/channel/UCugh8qKcfYWxomt6Ym3FcRg

 

 

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