コロナ禍の建設不況 宮城県内における建設業界の見通し
はじめに
前回から「コロナ禍の建設不況」をテーマにブログを書いております。
前回の コロナ禍の建設不況 大量廃業の時代に突入 も合わせてごらんください。
2020年中の東北経済において休廃業した業種のトップが建設業だったこと、休廃業した経営者の85%以上が60歳以上だったことをご紹介しました。
2021年の建設業界は業界内の世代交代と現場の担い手不足が同時に起こる様相となってきました。
90年代後半~2000年始めの建設不況と状況が異なるのは業界内の平均年齢が上がっているため業界から撤退する可能性が高いことです。
民間工事は大幅減、公共工事は維持…業界の影響
2020年の建設業界を見渡すと公共工事の投資額は一定の水準を保っているものの、民間工事の投資額が大きく減少しています。
大手ゼネコンが小規模な公共工事の取り込みを進めるため、地元ゼネコンの売上を圧迫し民間の小規模工事の取り込みに走る可能性が高くなります。
宮城県内においても昨年の緊急事態宣言の発令で一時的に工事進捗が停滞した後に着工件数が回復しましたが、それも落ち着いたという印象を受けます。
建設業許可の要らない小規模な工事も県内外からの転出・転入の数が減ったことから住宅の内装・設備工事
下請け中心の事業者も売上減少に繋がる事態です。また、工事単価の減少も覚悟しなければなりません。
この時期を乗り越えるために
緊急事態宣言が解除されれば一時的に民間工事の着工数は増えるでしょう。しかし、景況感の低迷が再度訪れると見込まれ大型の民間工事着工数・投資額は下火になると思われます。
その時期に備えて建設業界においても営業案件の発掘が必要になります。真っ先に思い付くのは一般消費者から仕事を受注することです。しかし、消費者相手の営業に不慣れな企業が急に消費者向けの営業ができるとは思えません。また、他の建設業者や不動産会社などに営業を行うことも考えられますがやはり同じことが言えるでしょう。
一般消費者、企業の新規開拓をするには名刺意外のツールが必要です。これを切っ掛けに営業体制の整備を行いホームページや一見さん向け料金表の整備を進めることが必要かつ急務となるでしょう。他の競合が行っていないことをやれば、その分が優位になります。
宮城県内の建設業者にとっては復興特需で増えた同業者と、大手ゼネコンに仕事を取られた地元ゼネコンとの間に競争が始まるものと思われます。
新しい仕事を得るための整備や今後必要となるであろう資金の準備など、競争に勝ち抜くために今からやるべきことは現場の外にあると言えます。
前回のブログの最後に書きましたが、建設業界において注力すべきは技術力向上一辺倒ではなく、それと合わせて資金繰りや人材育成といった経営の根幹となる部分の能力向上が必須になります。建設不況下を乗り越え、経営能力の向上と職人の確保ができた企業が次の建設市場で恩恵を得られるでしょう。
次回予告
次回は「建設業界で起業、事業拡大を目指す方への提案」をしたいと思います。
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